[NHK早安日本]改變槍枝社會的「Z世代」

和久田
「美國現在針對槍枝管制、掀起有史以來最大的浪潮。」

召集訴求槍枝管制的數十萬人的是高中生

「此刻就來改變吧!」

淹沒首都・華盛頓、訴求槍枝管制的數十萬人民們。
這浪潮在全美各地展開、是有史以來的最大規模。
今年(2018年)2月、佛羅里達的高中發生了17人死亡的槍擊案。
發起這示威遊行的正是被害的高中學生們。
發生槍擊案高中的學生
「政治家就只禱告都沒作為。
我們受夠了!」

高瀬
「今早YouTube總公司也剛發生過槍擊案、在美國至今不斷上演著槍擊案件。
每次都會針對管制掀起議題、但因反對意見強烈、而毫無進展。」

和久田
「可現在、掀起了從未有過的新動作
而其中心就是『高中生們』。」

16歲朋友成了槍下亡魂

報導:須田正紀(美國總局)

發生槍擊案的佛羅里達高中的學生、捷克・麥克勞德(16)。
那天、麥克勞德、躲藏在被槍掃射的校舍旁的建築物裡。
在那度過1小時半的驚恐時間。
他親近的友人也在17個犧牲者當中。
捷克・麥克勞德
「很痛心。
我找不到其他詞語可以說了。
總是借我鉛筆或筆記、是個很體貼的人。」

開始行動的「Z世代」

事件後、麥克勞德以強化槍枝管制為目標、跟同校的夥伴們開始行動。
「一般人不該持有殺傷力極強的槍。」

捷克・麥克勞德
「必須要去質疑“真的需要那種槍嗎?”。」

誕生時就被網路圍繞成長的麥克勞德這群人的世代、在美國被稱為「Z世代」。
也被說是對社會問題有高關注度的世代。


討論善用社群媒體的特性

他們最大的武器就是利用「社群媒體」。
在網路上提供給對槍枝管制表示「贊成」和「反對」的雙方立場的人交流意見的地方。

「一天發起一個議題。
因為如果有2個議題、焦點就只會集中在其中一個上。」

捷克・麥克勞德
「很好。
1天1問、就是這個。」

1天針對1個主題、透過深入討論議題、以強化槍枝管制為目標、努力讓意見的隔閡變小。

跟其他地區的聯繫也透過社群媒體

如虎添翼的是、透過網路讓活動從佛羅里達擴散到其他各地。
這天跟麻薩諸塞州的高中生交換意見。

捷克・麥克勞德
「我們的目標是將議題擴散到全國。」

麻薩諸塞州的高中生
“我們也正在組建組織。
不能錯失現在的情勢呢。”

捷克・麥克勞德
「我們和大家透過社群媒體連結在一起呢。」

麻薩諸塞州的高中生
“我們會跟隨你們的喔!”

收受美國全國步槍協會支援的議員對決

阻擋在麥克勞德他們面前的是NRA=美國全國步槍協會。
以會員數超過400萬人為傲、是全美少數有大廳的團體。
善用豐富的資金、支援川普總統以及共和黨的有力議員。
每當掀起槍枝管制議題時、就使用政治力將其壓下去。
這次、發生案件的高中學生們、在電視談論上跟收受NRA支援的有力議員對決。

高中生
「以17位犧牲者之名起誓、你敢發誓不再收受NRA的政治獻金嗎?」

有力政治家
「我發誓會制止槍殺事件。」

想規避問題的政治家。
但是、高中生並不畏懼。


高中生
「不是。
我是在問你有關收受NRA政治獻金的問題。」

聽到高中生的訴求 愛好者也放棄步槍

佛羅里達高中生們的訴求、現在帶來超乎想像的影響。
槍枝愛好者們、將破壞自己的槍的影片上傳到網路上去。

我們訪問其中一個上傳者、史考特・帕帕拉多。
我從18歲第一次接觸到槍後、就一直很喜愛槍。
透過媒體聽到高中生的訴求後、決定不再碰步槍。

史考特・帕帕拉多
「我們從沒為了防止槍擊事件而在選舉上投票。
年輕人們真心地想去改變這社會、作為大人就得去理解才行啊。」

川普總統提高高中生的危機感

高瀬
「採訪的須田記者。
高中生們的影響力好像非常大呢。」 
須田正紀記者(美國總局)
「這是美國代表雜誌『TIME』的最新刊、他們也登上了這封面。
以10代為中心被稱作『Z世代』的這世代、在給美國帶來衝擊的多次恐怖攻擊後的混亂時代成長、對社會問題有高度關心、又被叫作現實世代。
人口約有6,000萬人、在社群媒體上聚集、讓運動瞬間擴散。」

和久田
「至今發生過多起槍擊案的美國、為何不是在歐巴馬總統的時代而是到川普總統時代、年輕人們才開始有行動呢?」

須田記者
「歐巴馬前總統、每當發生槍擊案、有時還會流著淚訴說槍枝管制的必要性。
對比川普總統、對強化槍枝管制便呈現消極態度。
這讓高中生們的危機感變高、形成前所未有的運動氣勢。」

商業界也無法輕視的「Z世代」

高瀬
「高中生們的行動、美國社會全體是如何看待的呢?」

須田記者
「著名演員跟籃球選手等人也紛紛表示支持、增加認同感。
只是、此次該注意的是商業界的動向。
大型航空公司跟運輸公司發表將廢止針對NRA會員的優惠制度。
甚至、有大型運動用品店公佈將不再販賣殺傷力強的步槍。
『Z世代』將成為社會人開始工作、對將成為有權者的世代、商業界也無法輕視他們的主張。」

高中生能撼動槍枝大國美國嗎

和久田
「值得注意的是今後會有怎樣的發展?」

須田記者
「高中生們以在秋季舉行的中期選舉為目標、發起讓消極對待槍枝管制的議員落選活動、且已展開行動。
只是、並非全都很順利。
對槍枝管制非常反感的南部、也出現有學校阻止高中生們進行訴求強化槍枝管制的演講的案例。
『我受夠了』這高中生們的怒喊、能撼動槍枝大國美國嗎、正迎來關鍵時刻。」

原文:銃社会を変える「ジェネレーションZ」

和久田
「アメリカでは今、銃の規制をめぐり、かつてない大きなうねりが起きています。」

銃規制を訴える数十万人 呼びかけたのは高校生

「今こそ変えよう!」
首都・ワシントンを埋め尽くす、銃の規制を訴える数十万の人々。
このうねりは、全米各地に広がり、過去最大規模になりました。


今年(2018年)2月、フロリダの高校で17人が犠牲となった乱射事件。
デモを呼びかけたのは、被害を受けた高校の生徒たちでした。


乱射事件のあった高校の生徒
「政治家は祈るだけで行動しない。
うんざりだ!」
高瀬
「けさもユーチューブ本社の銃撃事件が起きたばかりですが、アメリカでは、これまで何度も銃の乱射事件が繰り返されてきました。
そのたびに規制をめぐる議論が巻き起こりましたが、反対意見が根強く、進んできませんでした。」

和久田
「しかし今、これまでにない新たな動きが起きています。
その中心にいるのが、『高校生たち』です。」

友人が銃の犠牲になった16歳

リポート:須田正紀(アメリカ総局)

乱射事件があったフロリダの高校の生徒、ジャック・マクラウドさん(16)です。
あの日、マクラウドさんは、銃が乱射された校舎の隣の建物に隠れました。
そこで1時間半、恐怖の時間を過ごしました。
17人の犠牲者には、親しい友人も含まれていました。


ジャック・マクラウドさん
「胸が痛みます。
他に言葉が見つかりません。
いつも鉛筆やノートを貸してくれる、優しい子でした。」

動き始めた「ジェネレーションZ」

事件のあと、マクラウドさんは銃の規制強化をめざし、同じ高校の仲間と動き始めました。
「殺傷力の強い銃は、普通の人が持つべきものではないわ。」
ジャック・マクラウドさん
「“そういう銃は本当に必要なの?”と問うべきだよね。」
生まれた時からインターネットに囲まれて育ったマクラウドさんたちの世代は、アメリカで「ジェネレーションZ」と呼ばれています。
社会問題への関心が高い世代ともいわれています。

議論はソーシャルメディアの特性をふまえて

彼らが最大の武器として利用するのが「ソーシャルメディア」。
銃の規制に「賛成」「反対」、双方の立場の人が意見を交わす場をネット上に提供しようとしています。


「議題は1日1つ。
だって2つあると、たいてい片方だけが注目されてしまうでしょう。」
ジャック・マクラウドさん
「いいね。
1日1問、それだ。」
1日1つにテーマを絞り、議論を深めることで、銃規制の強化に向け、意見の隔たりを埋めていく狙いです。

他の地域との連帯もソーシャルメディアで

さらに力を入れているのが、ネットを使いフロリダから他の地域へ連帯の輪を広げることです。
この日は、マサチューセッツ州の高校生と意見を交わしました。


ジャック・マクラウドさん
「僕たちの目標は連帯を国中に広げることなんだ。」
マサチューセッツ州の高校生
“僕らもちょうどグループを作ろうとしているところなんだ。
今の勢いを失わないようにね。”
ジャック・マクラウドさん
「僕たちはみんな、ソーシャルメディアでつながっているからね。」
マサチューセッツ州の高校生
“ついて行くよ!”

全米ライフル協会から支援を受ける議員と対決

マクラウドさんたちの前に立ちはだかるのが、NRA=全米ライフル協会です。
会員数400万人以上を誇る、全米有数のロビー団体といわれています。
豊富な資金力をいかし、トランプ大統領や共和党の有力議員を支援。
銃規制の議論が起こるたび、政治力を使い、押さえ込んできました。
今回、事件があった高校の生徒たちは、NRAから支援を受ける有力議員とテレビ討論で対決しました。


高校生
「犠牲者17人の名に誓って、NRAから政治資金を受け取らないと誓えますか?」
有力政治家
「銃による殺人を防ぐことを誓います。」
論点をそらそうとする政治家。
しかし、高校生はひるみません。

高校生
「違います。
NRAからの政治資金について質問しているんです。」

高校生の声を聞き ライフル銃を手放す愛好家も

フロリダの高校生たちの声は、今、予想以上に影響を広げています。
銃の愛好家だった人たちが、自分の銃を破壊する映像をネット上に投稿するようになったのです。


動画を投稿した1人、スコット・パパラードさんを訪ねました。
18歳で初めて銃を手にしてから、愛用し続けてきました。
メディアを通して高校生の声を聞き、ライフル銃を手放すことを決断しました。


スコット・パパラードさん
「自分たちはこれまで銃撃事件を防ぐために選挙で票を投じてこなかった。
若者たちが本気で社会を変えたがっていることを、大人たちは理解しなければならないんだ。」

トランプ大統領が高校生の危機感を高めた

高瀬
「取材した須田記者です。
高校生たちの影響力、大きいようですね。」


須田正紀記者(アメリカ総局)
「こちら、アメリカを代表する雑誌『TIME』の最新号なのですが、その表紙にも取り上げられています。
10代を中心とした『ジェネレーションZ』と呼ばれるこの世代は、アメリカに衝撃を与えた同時多発テロ以降の混迷する時代に育ってきたこともあり、社会問題に関心が強い、現実的な世代といわれています。
人口はおよそ6,000万人に上り、ソーシャル・メディアでつながることで、運動が一気に広がりました。」

和久田
「これまで何度も銃撃事件が起きてきたアメリカですが、なぜ、オバマ大統領の時代ではなく、トランプ大統領の時代になって若者たちの動きが起きたのでしょうか?」

須田記者
「前のオバマ大統領は、銃撃事件が起これば、時には涙を浮かべて銃規制の必要性を訴えてきました。
これに対しトランプ大統領は、銃規制の強化に消極的な姿勢を示しています。
それが高校生たちの危機感を高めることになり、運動がかつてない勢いとなっているのです。」

ビジネス界も「ジェネレーションZ」を軽視できない

高瀬
「高校生たちの動き、アメリカ社会全体では、どう受け止められているのでしょうか?」

須田記者
「著名な俳優やバスケットボール選手などが次々と支持を表明し、共感が広がりました。
ただ、今回注目すべきは、ビジネス界の動きです。
大手航空会社やレンタカー会社などが、NRA会員向けの割引制度を廃止すると発表しています。


さらに、殺傷能力の高いライフル銃の販売をやめた大手スポーツ用品店もあらわれています。
『ジェネレーションZ』はまもなく社会人として働き始め、有権者にもなる世代だけに、ビジネス界もその主張を軽視できないのだと思います。」

高校生は銃大国アメリカを動かせるか

和久田
「気になるのが今後ですが、どんな展開をみせそうでしょうか?」

須田記者
「高校生たちは秋に行われる中間選挙をターゲットにしていて、銃規制に消極的な議員を落選させようというキャンペーンを、すでに始めています。
ただ、すべてが順調なわけではありません。
銃規制への反感が根強い南部では、銃規制の強化を求めるスピーチをしていた高校生たちを学校側が止めるケースなども出てきています。
『もうたくさんだ』という高校生たちの怒りの声が、銃大国アメリカを動かせるのか、正念場を迎えています。」

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